韓国、台湾とも生産性は着実に高まっていますが、韓国の方が台湾に比べ上昇率は大幅なものとなっています。
こうしたことから単位労働コ、ストは、台湾で高く、韓国で低いものとなっています。
しかし、為替を考慮した単位労働コストでは様相は大きく変化し、韓国では自国通貨建で80年以降ほぼ横ばいもしくはわずかな上昇であったものが、ドル建では逆に大幅な下落となり、為替調整が進展した87年にも若干の上昇にとどまりました。
台湾では上昇率は低いものの、上昇基調となっており、87年にはかなりの上昇となりました。
これに対して日本では86、87年と円高を背景として大幅な上昇となりました。
このように、為替変動の中でアジアNICsの労働コストは日本に比べて相対的に有利化し、輸出の大幅増加につながりました。
過去2か年にわたって順調に増加してきたNICsの輸出ですが、87年央以降では国・地域によってやや状況が異なってきています。
韓国、香港、シンガポールの輸出が引き続き大幅な増加基調を維持している一方で、台湾では伸び率が鈍化してきています。
韓国などの通貨調整が緩やかなテンポで行われているのに対して、新台湾元の対ドルレートが87年中
急速に上昇したことなどが主因と考えられます。
特に、繊維、衣類、玩具、履物といった、価格競争力に強く依存する製品での鈍化が顕著なのです。
これらの製品は、より労働コスト面で安価な、また台湾に比べ通貨が割安なタイ、インドネシア、マレーシア等の国の追い上げを受けているものと思われ、タイの繊維・同製品の輸出は、86年央から増加傾向にあります。
しかし、87年に入ってからは増加テンポが更に高まってきています。
こうした動きについてはプロダクト・サイクルによる面もあるでしょうが、為替の変化が加速させた面も大きいと考えられます。